2021年4月21日にEUで、AIの活用に関する規制案が提案されたようです。
まだ決定ではないようで、競争力を失うとして産業界からは反発があるようですが、逆にこのことでEUがAIの主導権をとれるという意見もあるようです。
個人情報保護(GDPR)の際も同様な動きだったので、大きな流れは変わらなそうです。
規制では、AIを4つの区分に分けて、一番高いリスクは「許容できないリスク」として禁止されます。これに該当するのは、AIを使って人の潜在意識にはたらきかけるい技術、行動を監視して信用力を格付けしたり、格付けによって行動を制約する技術、犯罪者や容疑者を監視するための監視カメラによる(生体認証)などです。どれも中国で活発に使われている分野です。
次の区分は「ハイリスク」カテゴリーとして、
- 人の生態認証による識別とカテゴリー化。
(例)人を遠隔で生態認証するAIシステム。 - 重要インフラの管理・運用
(例)道路や交通システム、水、ガス、暖房、電気といったインフラの安全な管理・運営・供給のためのAIシステム。
3.教育および職業訓練
(例)だれが教育や職業訓練を受けることができるかを決めるAIシステムや、 教育・職業訓練機関の学生を評価するAIシステム、入学試験の中で受験者の評価などに使われるAIシステムなど - 雇用、労働者管理
(例)採用評価に使われるAIシステム、昇格・解雇の決定や、人事異動の決定に使用されるAIシステム、成果やその人の監視・評価に使用するAIシステム - 重要な民間・公共サービスを使わせて良いかを判断するAIシステム。
(例)緊急医療を受けたいとき、災害に罹災したときに手当や救助の優先順位を決定するAIシステム
人事労務関連分野で関係するのは教育、職業訓練、雇用・労働管理ですね。
これらのAIが規制されるということは
・企業が採用の際に応募者情報をAIで分析する
・評価や昇進をAIに判断させる
・クビにする人をAIが決める
・学校の入学試験にAIを取り入れる
といった、人事のAIの先進事例として取り上げられることの多くが規制されます。こういったサービスを売り出している多くの企業は頭をかけてしまうでしょう。
EUでの動きですので、直接日本に影響のあるものではありませんが、いずれ日本でも同じ流れになる可能性もあります。日本で法規制されなくても、EUで規制されてしまうとあまりよいイメージは持たれなくなります。
もしくは逆転の発想で、日本では結局規制をせず、Aをが野放しにすることで、AI技術が発展するかもしれません。そうなれば日本にとってチャンスが見えます。