インドの商品シリーズ4

キッチン用品

ラップ(サランラップ、クレラップ)

インドではなぜかラップが手に入りにくいです。2025年になってようやく一部の雑貨店で出回り始めました。ただごく一部のお店だけです。そこでは日本のメーカーが作ったやつも購入できます。

Amazon等で買うこともできますが非常に高価(日本の4倍ぐらいの値段)ですし、品質も良くありません。日本のラップは優秀だと思います。

インドのラップは大昔の日本のものに似ています。大きくて、粘着性はまあまあで若干伸び、切りにくいです。

アルミホイルはよく売っているし、ラップより一般的。

ジップロック

売ってはいるが、サイズの選択肢は少ない。海外製の物は高級品。インド製の物は使えない(液体だと漏れる)。使い捨てのジップロックではなく、タッパーのようなものをたくさん購入しておき、使うのが一般的なようだ。使い捨てでないのはよい文化なのかもしれない。

タッパー

よく考えたらフードデリバリーをしても、食事をお持ち帰りしても、使い捨てのタッパーに入れてくれます。実際は耐熱温度も高いし、ある程度は密閉性もあるので使い捨てしなくてもいいのだけど、表面が傷つきやすいプラスチックということもあり、結局使い捨ててしまっています。ラップを節約してもそれで廃プラスチックが大幅に減るわけでもないので、環境のことを考えてラップを使っていない、というわけでもなさそう。

砥石

インドの人がどうやって包丁を研いでいるのかが不明ですが、キッチン用品店等、お店ではまともな砥石は売っていません。キッチン用品店の店員も砥石のことを知りません。お手軽に切れ味が戻るシャープナー(日本でも売っている、刃を通すと両側からセラミックの石が挟み込んで研ぐもの)は売っています。結局それも貝印ですけど。貝印はインドで生産していますし、包丁やハサミ等で一定のシェアはあります。

実はAmazon等で砥石は売ってはいます。ただ、ほとんどの者はサイズが非常に小さいです。スマホより小さいぐらいの砥石で、日本式の研ぎ方だとまともには研げません。また、曲がっていたりするのでその点からも砥石は慎重に選ばなければいけません。日本で売られているような砥石のように見えるものはAmazonで5000円ぐらいで売ってはいますが、これで5000円出して外れだったらと思うと怖いので、購入はしてません。砥石は日本から買ってくるほうが無難ですけど、重いので家財道具一式を持ってくる人でもなければわざわざ持ってくる人はいないだろうと思います。こだわりがなければインド製貝印の包丁を使い捨てるのがいいです。貝印はインドで工場もあるため比較的良い製品が安価で購入できます。

もしくは砥石を手に持って刃にあてて研ぐやり方もあるので、それを試してみるのもいいかもしれません。映画などで戦士がナイフを研ぐ場面等でみられる、刃を固定して砥石を滑らせて研ぐやり方です。なれないと手を切ってしまいそうですが。

包丁

日本の三徳包丁は売っていません。似たようなものにシェフナイフ(牛刀)がありますが、形が微妙に違います。

三徳包丁                                    

シェフナイフ

三徳包丁は日本独自の物なので日本以外では購入できないと考えたほうが良いです。貝印のものもシェフナイフです。

使いこなせばどちらでも使えるようになりますが、三徳包丁と同じように野菜などを千切りにしようとするとシェフナイフだと高さがないので柄とまな板の間で指を挟んでしまうことが多い気がします。

屋台で見る限りだとインド人は大きい包丁でなく小さいペティナイフのようなもので料理をしているように見えます。家庭ではどうなんだろう。

インドの商品シリーズ3

虫よけスプレー(肌に塗るやつ)

インドのもののほうが強いようです。日本だと使用が認められていない製品が使われているという話を聞きました。日本でも最近は強い成分のものが認められるようになったようなので、どれほど差があるのかは確かではないです。小さい子供がいる家庭などは日本から持ってきたものを使用しているという話を聞きました。

私は日本では虫よけスプレーではなく、「北のかおり」と書かれたミントスプレーをつかっていたのですが、残念ながらインドの蚊には効きませんでした。

部屋用の虫よけ剤

ごく普通に売っています。コンビニでも売っています。部屋用の虫よけはコンセントに指して使う、液体を気化させるタイプです。2週間ぐらいで一つのボトルが消費されます。匂いも結構しますし、健康に悪いという話も聞きます。それに空気洗浄機を付けているとずっと匂いセンサーに反応があるので困ります。一応効果はあるようです。

蚊取り線香もあるにはあります。日本のもののように渦巻いてはおらず、長い棒です。ただ、ネットの情報によると発がん性物質が含まれているようで少し問題となったらしく、販売数が落ちているようです。気にせず使い続けている人もいます。日本の蚊取り線香も人体には影響が出ないだけでごくごく微量の毒になる成分が含まれているのであまり気にしない方がよいのかも。

それよりもインドには網戸のある家、ない家があり、ない家は窓を開けっぱなしにするわけにもいきませんが、締め切っていると虫が入るしで、困ります。

インドで手に入ってすごく便利なものとして、虫退治用ラケットがあります。日本でも売っているようですが、あまり一般的ではないと思います。

虫退治用ラケットはテニスラケットを一回り小さくしたぐらいの大きさで、充電式電池が入っていて、ボタンを押しながら蚊をたたくと電気が走って蚊を退治します。バチッ!っという音とともに閃光がはしり、その後蚊が燃えた匂いがします。閃光は一回だけではなく、大きな蚊の場合は5回6回と続きますので、ゲームのクリティカルヒットエフェクトみたいな感じで結構気持ちいいです。特に眠りを妨げられた後にこのラケットで蚊を退治出来た後の安心感は他に得られないものです。

シャンプー、リンス、コンディショナー、石鹸、ボディーソープ

インドで手には入る。肌に合うかどうかはわからないのでいろいろと試してみることをお勧めします。

人によってはやはり合わないもしくは気に入らないようで日本から石鹸・シャンプーを持ってきたり、送ってもらったり、バンコクにまで行くときに買ってきている人もいるようです。

薬用せっけんのように殺菌力の強いものやDoveのような肌に優しそうなものまで売っています。石鹸は種類があるが、シャンプーやボディーソープの種類はすくないように思えます。

インドのせっけん、シャンプー等は総じて泡立ちが悪いです。日本のせっけんやボディーソープと同じ感覚で使っていると肌の汚れが取れきれず匂ってきますので、しっかりと何度も洗ってください。

インドの商品シリーズ2

文房具

文房具の質は日本と比べ総じて低いのが正直なところです。仕事をするうえではよく使い日常に触れるものなので、違いを感じやすくなります。文房は長く使えるものなので、よく使うものは日本から持っていくことをお勧めします。

それぞれの一般的な特徴をお伝えします。

ペン

ペンは非常に安価で売っています。25本セットで100ルピー(170円ぐらい)のペンなどもあり、手に入らないということはありません。また、インドで実施されるイベントなどに参加するとペンなどを無料で入手することができます。残念ながらそういったペンの多くはすぐに書けなくなる、発色が悪い、書き心地が悪いといった理由で長期間の使用に耐えうるものではありません。その場で使うには問題ないことが多いですが、翌日には書けなかったりしますし、微妙にペン先がまっすぐでないため書いていてストレスを感じるケースもあります。また大量に売っている場合は個人としては買いにくいです。多分一生かかっても使いきれないぐらいの量です。

日本と同じぐらいの値段のペンはどうかというところですが、こちらもやはり日本のものと比べるとインクののりが悪い、バリが残っていて手にあたるといった使いにくさを感じます。ペンについては日本から数本持ってくるとよいでしょう。

また、インドでサインをするときは黒よりも青のインクが好まれるようです。青のペンも用意しておくといいと思います。特にサインをする際は青インクが必須です。サイン用の万年筆もあるといいでしょう。

のり

のりはスティックタイプのものも液体タイプのものも売っています。日本のものに比べて粘着力は弱く、乾きが悪い印象です。若干においがする気がしますが、気のせいかもしれません。たっぷりとつければしっかりとくっついてくれますので、大目につけるのがよいでしょう。のりは消耗品なので日本から持っていくとかさばってしまいます。インド製のものでも使えますので日本から持っていく必要はないと思います。

カッターナイフ

日本には小さいカッターナイフも売られていますが、インドでは見つかりませんでした。工具ボックスの中に紛れていても違和感のない大型のカッターはよく見かけます。切れない、刃を折ろうとすると切れ目に沿ってではなく別のところで折れることも多いですが、何とか使えはします。

ハサミ

日本のものと比較すると切れない印象です。ただ問題なくは使えます。

定規

でかすぎる、分厚すぎる、30センチで1ミリほどずれがあるなどメモリが不正確なものがあります。最近日本でも長さの違う定規が売られていたり、配られていたといったことがありますが、インドではそれが通常です。正確に何かを図りたいなら日本のしっかりした物を買って持っていたほうがよいでしょう。線を引くだけ、大体長さが分かればいいなら問題ありません。文具ではなく工具では正確なものが売られているかもしれないが確かめていません。

油性マジック

指でこするとすぐ消えてしまいます。日本のマーカーはすぐには消えないので質は全然違います。事務で使う分には問題ないが、子供の学校用品などに名前を書いたらすぐに消えてしまうでしょう。

万年筆を使っている人はそのインキ

高級なペンの純正インクをインドで買うと日本で買うのと比較して非常に高いので、日本で買ったほうが良いです。万年筆自体を買おうとするとそれもまた高いです。輸入品は総じて高くなります。

消しゴム

 消えにくい、紙が汚れる等であまり性能はよくありません。普通はそんなに消耗しないので、日本で買って持って行った方が良いのではないかと思います。

ホッチキス

インドのものは、日本で30年前に売られていたような質のもの。固く、留めるのに力がいります。針の先が大きなカーブを描いていて、資料をまとめると一か所だけが盛り上がっていくような大昔のものです。インド製のものでも使えはしますが、閉じるたびに手に衝撃を感じるなど使いごこちが悪いです。たくさんホッチキスを使うなら持って行った方がよいが、そんなに使わないならあえて持っていくこともないかと思います。

ホッチキスの針はやはり質が悪いです。よく曲がってしまい失敗する、すぐに錆びるとうです。明らかに日本で売っている物の質が高いです。一応同じ規格のものは売られているので、気にしなければインド製のものでもいいです。

付箋

粘着力が弱く、紙質が悪く薄いのか水性ペンで書くと次のページににじむ、放置していると紙の端が丸まっていく等使いにくいです。粘着力の弱さは致命的で、使い物になりません。日本で売られているもののほうが無難に使いやすいです。

ゼムクリップ

日本だと様々なサイズのクリップがありますが、インドでは日本でいうと中サイズぐらいのものがあるだけで、他のものは手に入りにくいです。

注サイズのものも大きい割に挟む力が弱い、すぐに錆びる、微妙にとがっているので挟むとき指が傷つく等で地味にストレスを感じます。たくさん事務仕事をするなら持って行った方が良いです。気にしなければ気にしない。

シャーペンの芯

インド製のものは硬すぎて薄い、すぐに折れます。絶対に日本製が良いです。持っていくべきです。

鉛筆

硬すぎて色が薄い、すぐに折れるし、外側の塗装もすぐボロボロになる。特に硬さによって使用に耐えないです。絶対に日本製が良い。シャーペンか鉛筆は持っていくべきです。お子さんがいて鉛筆をよく使うのなら鉛筆は必ず準備をしてください。

紙ファイル(二つ穴のあるもの)

存在するが、きれいなものを見つけるのは至難の業です。普通にカビが生えたものが売っている、二つ穴に紐で通す、留め具の金属が非常に大きい、留め具がばねになっていて面倒等効率が悪い製品しかありません。かさばるので日本から持参することは難しいかもしれないが、少しでもあると便利ではあると思います。

クリアフォルダ・ファイル

売ってはいるけれど、日本の者に比べてコシのないものしかありません。へにゃっと曲がってしまうやつです。日本にも同様のものはあるが、インドではそれしか見つけられませんでした。

セロテープ

すぐに切れるし劣化します。輸入品は質がよいが高いです。わざわざ日本から持ってくるほどでもないですが、覚悟はしておく方がいいです。

養生テープ(緑のやつ)

売っていません。白色の物などが売っているが剥がすと後が残ったりする、普通の生活では使用しないので持ってくることもないと思うが、存在しないことは覚えておくとよいでしょう。

ジップロック

(文房ではないかもしれないが)手に入りにくいです。小さいジップロックのようなものはありますが、留めるところが細すぎて非常に開けにくく、しめにくいです。

修正テープ

修正液は探していません。テープは売っているが、日本のものと比べすぐに途切れてしまい使いにくい。インドではあまり利用しないのだろうと思われます。日本でもあまり利用されることはなくなってきていると思うので、わざわざ持ってくる必要はないと思います。

朱肉

インドでは判子は使わないので売っていません。万一使う場合は忘れずに持ってくるように。

穴あけパンチ

日本で30年前に売られているような、金属性の武骨なものをよく目にします。二つではなく一つの穴をあけるものもあります。紐でファイルするのがまだ一般的なのでそれでもかまわないのだろうか?

また、これらはどこで手に入るかというと街の文房具店にあります。日本では文房具はスーパーの一角やコンビニなどでも購入できますが、インドでは文房具店に行かないといけません。ショッピングモールにも文房具店は入っていないことが多く、街の文具店に行く必要があります。

電池

街の電気屋さんに行く必要があります。インドにもヤマダ電機やコジマ電気のように大きな電化製品のお店がありますが、テレビ、スピーカー、パソコン、携帯付属品、白物家電は売っていながら、電池は売っていないことがほとんどです。パソコンは売っているのにLanケーブルは売っていないということもあります。欲しいものがあったらいろいろな種類のお店を回る必要があります。

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インドの商品シリーズ1

はじめに

インドの経済発展は順調で、人口も世界一の国となるなど勢いのある国です。ですが、インドでは様々な製品がまだ日本の品質と比べて残念なものが多いです。

そこで、インドに赴任が決まった方々がインドで生活するうえで困らないよう、インドの製品一般の個人的な感想をお伝えすることで事前に準備・心づもりをしてもらえるよう、それぞれの物品について使ってみた感想を記録します。参考にしてください。

生活用品

コロコロ(粘着ローラー)、縦型の物しか売っていない。横型の物は売っていないし、大きさも違うので慣れたものが使いたければ日本から買ってくるとよい。慣れれば縦型でも何とかなるが、広い範囲をきれいにしようとすると縦型は不便。

クイックルワイパー

インドでは売っていない。ホテルやサービスアパートメントに住んでいるか、メイドを雇えば自分で掃除をすることはないかもしれないが、そうでない場合は大理石の床にクイックルワイパーは掃除がはかどるだろう。ただ、シートがかさばるのでスーツケースに入れて持ってくるのは大変だと思う。

プラスチックの洗濯ばさみ

挟むために開こうとするとプラスチック部分が破損する、金具がはじけ飛ぶなど。たくさん購入して生き残るやつを使うが、いずれそれらも破損していく。特にインドでは夏場の日光が強力なので直射日光を浴びる場合は劣化が激しい。金属製(ステンレス)のものは比較的頑丈だが、それも特にばね部分がすぐに錆びる。半年程度の使い捨てと考えて購入するつもりで購入。

洗濯ネット

様々なサイズの物は売っていない。大きいものだけ。買おうと思えば買える。

手指用消毒液、ウェットティッシュ

インドでも購入はできるが何かしら匂いがついている。これが結構強烈についているので、食事をする前に使うと料理の味やにおいを邪魔する。買って持ってきた方が無難。人によっては気にならないかもしれない。気に入る(気にならない)匂いの物を見つけられれば日本から買ってくる必要はない。

歯ブラシ、

もちろん売っているのだが、ヘッドの部分が大きい。日本で売っているもののように小さいものはあるにはあるが、種類は少ない。細かい毛先の物はない。

歯磨き粉

歯磨き粉は種類が少ない。歯肉炎予防とか特定の効果がありそうなものは売っているが、化学薬品ではなくアーユルベーダ的、日本でいうと漢方的なものが多い。効能もそれほどしっかりと説明されているわけではなく、「悪い口の中の状態」→「この歯磨きで歯を磨く」→「きれいでヘルシーな歯」といった説明程度。どの成分がどの効果があるのかははっきりと書かれていない。そもそもインドでは効能が英語で書いてあっても英語が読める人が結構少ないのでそんなに効能をうたう効果はなく、それっぽいパッケージであることが重要なのだろう。英語で書くことをあきらめるというよりは薬事法により何か制限がされているのかもしれないが。実は非常に細かい文字で成分が書かれてはいる。それがどういった作用があるかは別に調べる必要があり不便。

洗濯用せっけん

粉石鹸が一般的で液体せっけんの普及はまだだろうと思っていたらまさかの固形石鹸が一般的だったりする。洗濯機が一般家庭には普及をしていないのだろうか。固形石鹸はたくさん種類がある。

粉せっけんもいくつか種類はあるし、一般的に手に入るので購入には困らないが、日本ほど多様ではない。最近は抗菌作用のあるものも出てきている様子。

雑巾

売っていない。これは日本独自のもの。適当な布を購入して使う。Market99といった100円ショップのようなお店があり、そういったところで5枚セット170円ぐらいで購入できる。値段は99ルピーというわけではなく普通に値付けされている。

インド人はもともとはナチュラルな白さのこの布巾を黒ずんだ灰色になるまで使い続ける。物持ちがいいのはよいことのようであるが、結局のところ汚れがしみ込んでいる布でそこら中を拭くことになるので、清潔感があるとはいいがたい。メイドさんがいる場合などは定期的に布を変えるように伝えるほうが良い。

CS50 Tideman

Harvard XのCS50 2021 Week3 のプロブレムであるTidemanがようやく終わった。

CS50は無料のオンライン講座で、Harvard大学が実施しているCS50という講義をedXというプラットフォームで無料配信している。CSはComputer Science の頭文字をとったものらしい。50というのは講座番号らしいのだけれど、なぜ50なのかは調べてもよくわからなかった。CS50はIntroduction to Computer Scienceという正式名称で、Introductionというのが信じられないぐらい難しい(けど楽しい。)オンライン講義でなければ、つまりハーバード大学に入学していればCS51(Introduction to Computer Science 2)とかCS60というのも履修できるような情報も見つけたけど、ちょっと情報がふるいのでCS51はともかくCS60がまだ存在するのかがわからなかったし、入学しなければいけないのはハードルがかなり高いなあ。

CS50は無料というのが信じられないほど素晴らしい内容で、2時間半程度の講義と講義で扱った内容をもう少し詳しく説明するショートビデオ(Short)、練習問題(Lab)と課題(Problem)で成り立っている。講義の内容はまとまってサイトに上がっているし、講師であるDavidが話した内容がすべて文字に起こされていて、講義の英語がよくわからなかったり、講義のあの部分だけもう一度確認したいといった時に非常に便利。講義も工夫されていて、お金もかかっている様子。なんでも毎年講義内容を更新して講義も撮り直ししているらしい。もともとはハーバード大学で実際に行われている講義を録画したものなので、当然と言えば当然だけど、内容が変わっていくのも素晴らしいと思う。

12週間分の講義を自分のペースで進めていけるのだが、最初はScratchを使ってプログラミングはこんなものですよという紹介から始まって、C言語、Python, HTML+CS+Javascriptを順番にやっていく。盛りだくさんのボリューム。講義を見た後、練習問題や課題をこなして身に着けていく。

練習問題や課題はCS50 IDEというクラウド上のサービスを使って解いていくのだけれど、このCS50 IDEがとてもよくてプログラムの勉強時にありがちな開発環境を整えるだけで時間がかかってしまう、もしくは開発環境構築に挫折してしまうといった事態を避けられる。それにCS50 IDEを使ってエラーのチェックや、課題の提出、さらには採点までされるという、なぜこれが無料で使用できるのかと不思議に思うレベル。何十時間も触っていくことになるので、画面のデザインがシンプルでクールなのもいい。

ターミナルで操作したときの反応が若干遅い気がするのはサーバーが地球の裏側(アメリカ)にあるせいかな。

ここからCS50について確認できます。いつまでリンクが生きているかわからないので、「CS50 Harvard」とかで調べた方がいいかもしれない。

CS50(https://pll.harvard.edu/course/cs50-introduction-computer-science?delta=0

さて、Tidemanについて。TidemanはWeek 3(Week 0から始まるから4週目)の課題。同じくWeek 3のRunoffと同様、選挙時の投票システムをつくる課題なのだけれど難易度が桁違いだった。自分はRunoffは3時間ぐらいで終わったが、Tidemanは1日3時間から4時間を5日間かかった。土曜日に始めて水曜日までの5日間。これは作業時間で、起きている間は通勤しているときも、ご飯を食べているときも、お風呂に入っている間も、仕事の会議中でも、とりあえず時間があれば考え続けての5日間です。本当に本当に大変だった。何とか終わってホッとしている。

ネットで「Tideman hard」とかを調べると、いろいろな掲示板で苦しんでいる人の書き込みを見つけられる。お互いに励ましあっていたり、問題が難しすぎると文句を言う人がいたりと反応は様々。ハーバード大学のオンラインショップで「I finished Tideman」というTシャツを売っているぐらい、難しいと有名なある意味名物課題なんだろう。

解き方としては、6個のプログラムを順番に作成していくもので、一つ一つが結構複雑で時間がかかる。それでも一つを除いてはまあ何とかなる。問題は「再帰(recursion)」を使うことにある「lock_pairs」というプログラム。再帰という概念自体が難しいし、選挙システムもややこしい。ここでかなり時間をつかった。

自分はここの部分を考えるのにExcelでマトリックス表を作って、場合分けをしながら、別のファイルにこのプログラムだけを抜き出して、それが想定通りに動くかを1行1行確認していった。再帰の概念を理解するのに「Merge sort」を実装してみたりもした。急がば回れで、こういったちょっと余計な手間をかけるのがよかったのだろうと思う。あと、debug50の使い方を習熟してからこの箇所に臨むと結果的に時間節約になるかな。

lock_pairsをどう考えればいいかはネタバレになるので書かないけれど、あらかじめ準備されているlockedという二次元配列を使うのがポイントになるかな。Candidateが3人とか4人の場合を想定して、Excelに表を作ってコードに合わせて記入をしていくことで自分のコードをよく理解できると思う。

check50を使ってチェックをかけてしまうのもよいと思う。プログラム単体でチェックしてくれるようなので、6つのプログラムそれぞれをつくり終わる都度チェックをかけていけば確実に進んでいるのを実感できるし、精神的な支えになるはず。

Tidemanのアルゴリズム自体がよくわからなければ「シュルツ方式」で検索をかけるとWikipediaで同じような投票方式の説明がある。このサイトは課題を終えた後に見たのであまり詳しく確認していないけど、なんとなくなじみのある矢印とか、「コンドルセ方式」という言葉があるので、参考になるんじゃないだろうか。

混乱をしたのはStrength of Victoryの考え方で、サイトにある説明とBrianの説明、check50の表示が少し違う気がする。サイトにある説明は明確なのだけど、Brianとcheck50ではMargin
of strengthという言葉が使われていて、これだと2つの候補者の得票数の差を計算することになるのだけど、結果がかわってくるんじゃないだろうか。

あと、lock_pairsで票の順番によって結果が変わってくることがある気がする。英語のサイトでこれはTidemanアルゴリズムのバグのようなものなので気にしなくていいとあったけど、少しもやもやする。
細かいところではWalkthroughビデオのBrianはティーダマンと言っているが、英語の発音の法則からはタイドマンが本来は近いのではないかという疑問はある。

気になるところはありつつもようやく終わってよかった。5日間の苦労が報われた。記念に「I finished Tideman」Tシャツを買ってもいいかなと思うぐらいには頑張ったと思う。

ちなみにハーバード大学のオンラインショップにはCS50の特設ページがあってDDB(Duck DeBugger)が売っている。講義の中でDavidの前にずっと置いてあるやつ。これは欲しいなあ。

全ての項目にパス!記念スクショ

Google Colaboratory のバージョン

!python -V
#Vは大文字)

を実行するとバージョンが表示される。2021年6月10日現在は 3.7.10 となっている。

自分のPCにあたらしいバージョンのPythonをインストールしていると、Colaboratoryとの動きが違うことがあるのだが、それはプログラムの中身だけでなく、pipでパッケージをインストールしようとしたときでも、バージョンが違うと「Could not find a version that satisfies the requiremen…」と出てきて、インストールができない。
これはパッケージ名を間違った時や、全く存在しなパッケージを入力したときと同じメッセージなので、何が悪いのかが非常にわかりにくい。バージョンの違いはこういったところにまで影響を及ぼすという話。

Pythonはこのバージョンの整合性を保つという作業に時間と手間を取られる印象がある。ごく少数のライブラリしか使わない場合はそれほど問題ないと思うけれども、プログラム毎に多数のライブラリをインストールして使うとなると、プログラムによってPythonのバージョンを使い分けなければいけないこともある。
それが面倒だと思うし、これを解決しない限り僕のような一般ユーザーには普及しないんではないかと思う。

また、2つのライブラリ同士の相性やバージョンの違いなどで動く動かないといった事態があるので、とても初心者向きではない気がする。それともどのプログラム言語でも同じなんだろうか。

EUのAI規制

2021年4月21日にEUで、AIの活用に関する規制案が提案されたようです。
まだ決定ではないようで、競争力を失うとして産業界からは反発があるようですが、逆にこのことでEUがAIの主導権をとれるという意見もあるようです。
個人情報保護(GDPR)の際も同様な動きだったので、大きな流れは変わらなそうです。

規制では、AIを4つの区分に分けて、一番高いリスクは「許容できないリスク」として禁止されます。これに該当するのは、AIを使って人の潜在意識にはたらきかけるい技術、行動を監視して信用力を格付けしたり、格付けによって行動を制約する技術、犯罪者や容疑者を監視するための監視カメラによる(生体認証)などです。どれも中国で活発に使われている分野です。

次の区分は「ハイリスク」カテゴリーとして、

  1. 人の生態認証による識別とカテゴリー化。
    (例)人を遠隔で生態認証するAIシステム。
  2. 重要インフラの管理・運用
    (例)道路や交通システム、水、ガス、暖房、電気といったインフラの安全な管理・運営・供給のためのAIシステム。
    3.教育および職業訓練
    (例)だれが教育や職業訓練を受けることができるかを決めるAIシステムや、 教育・職業訓練機関の学生を評価するAIシステム、入学試験の中で受験者の評価などに使われるAIシステムなど
  3. 雇用、労働者管理
    (例)採用評価に使われるAIシステム、昇格・解雇の決定や、人事異動の決定に使用されるAIシステム、成果やその人の監視・評価に使用するAIシステム
  4. 重要な民間・公共サービスを使わせて良いかを判断するAIシステム。
    (例)緊急医療を受けたいとき、災害に罹災したときに手当や救助の優先順位を決定するAIシステム

人事労務関連分野で関係するのは教育、職業訓練、雇用・労働管理ですね。
これらのAIが規制されるということは
・企業が採用の際に応募者情報をAIで分析する
・評価や昇進をAIに判断させる
・クビにする人をAIが決める
・学校の入学試験にAIを取り入れる
といった、人事のAIの先進事例として取り上げられることの多くが規制されます。こういったサービスを売り出している多くの企業は頭をかけてしまうでしょう。
EUでの動きですので、直接日本に影響のあるものではありませんが、いずれ日本でも同じ流れになる可能性もあります。日本で法規制されなくても、EUで規制されてしまうとあまりよいイメージは持たれなくなります。

もしくは逆転の発想で、日本では結局規制をせず、Aをが野放しにすることで、AI技術が発展するかもしれません。そうなれば日本にとってチャンスが見えます。